台湾の烏龍茶 お茶づくりの工程 (2) ~日光萎凋~
だいぶ間があいてしまいましたが、台湾烏龍茶のお茶づくりの工程をご紹介してまいります。
台湾高山茶、摘み取った茶葉はすぐに製茶場に
さて、茶畑で摘み取ってきた茶葉は、製茶場に運ばれ、毛茶(マオチャー)と呼ばれる一次製品になるまで一気にその工程は進められていきます。
摘み取ったばかりの茶葉、新鮮で青々しています。
製茶場は、基本的に茶畑の傍にあります。遠くまで運ぶと、輸送の時間と輸送の揺れがお茶の品質に影響を及ぼすので、よいお茶屋さんは茶畑の傍に製茶場をもっています。
台中の茶師・林さんの製茶場も、高山の茶畑の中、斜面に身を預けるように建っています。
台湾のお茶づくり 日光萎凋はおひさまのもとに晒します
摘み取った茶葉を平らに均して陽光の下に並べて、晒します。これを日光萎凋(いちょう)と呼びます。この工程は日光の力をつかって、主として茶葉から水分を発散させることで、余分に含まれた水分を適量まで蒸発させ、酵たいw素による酸化作用で適切に発酵が進むようにします。
萎凋とは、簡単にいえば、しおれさせることですが、茶葉の水分量を減らし、茶葉を柔らかくし、酵素による発酵を促す一連のプロセスをそう呼んでいます。
台湾茶 日光萎凋の働きは?
台湾烏龍茶のお茶づくりにおける日光萎凋のプロセス、その働きは何でしょうか?
茶葉の細胞に含まれる水分量を減らして、細胞の活性を下げると、細胞膜の半透過性(水は通すが、水に溶けた物質は通さない)も低下するので、イメージとしては細胞のなかで水分によって隔てられていたいろんな成分が酵素と直接出会うことになるので、発酵が進むということですね。
均等に水分が蒸散していくように、茶葉があまり重ならないよう、ていねいに並べられています。
茶葉の表面からテカリがなくなって、手で触って柔らかさが感じられる程度になったら、茶葉の青臭さもなくなってきます。
台湾茶の茶葉は、タイミングを逃がさず、すぐ次の工程へ
更にお茶らしい香りが漂い始めたら、すぐに室内の作業場に移して、次の工程、室内での萎凋に入ります。日光萎凋をやりすぎると、茶葉は赤褐色に変色しはじめますので、茶葉のようすをよく観察して、次の工程に茶葉を移すタイミングの管理が重要です。
高山茶の産地では、午後になると濃い霧が発生しやすいので、日光が不足する場合は加温室に移して温風で水分蒸散を補ってやります。