台湾の烏龍茶 お茶づくりの工程(3)  ~室内萎凋~

 
台湾茶でいう室内萎凋とは?

 
 日光萎凋(いちょう)が一定のところまで達したら、今度は室内に静置して萎凋します。室内萎凋です。萎凋とは、簡単にいえば、しおれさせることですが、茶葉の水分量を減らし、茶葉を柔らかくし、酵素による発酵を促す一連のプロセスをそう呼んでいます。
 

 

台湾茶 室内萎凋に送られる茶葉 
 
 屋上階で日光萎凋が完了した茶葉は、帆布製シュートで室内萎凋の階に降ろされます。メッシュ板に敷いた布の上に、屋上階から降りてきた茶葉を広げていきます。

 

 
 
 
 
 
台湾茶 室内萎凋(静置)の棚
 
 茶葉を敷き詰めたメッシュ板は電動昇降で右側の棚に格納され、茶葉は静置されます。

 
 一見、日光萎凋で温度が上がった茶葉の熱を冷ましてやるだけの工程のように見えますが、実は茶葉の青臭さや雑味を除くとともに、茶葉に発酵作用を継続させ、複雑な化学変化を起こさせる重要な工程です。これによって、茶葉は特有の滋味と香りをそのなかに作り出すのです。

 
 

 
 

台湾茶、”静置” と ”浪青” 二つのプロセス

 
 
 室内萎凋は、大きなメッシュ板に布を敷いて、そこに茶葉を広げて棚に格納し、静かに置いておく”静置”と、タイミングを計っては両手を使って茶葉を攪拌し、その摩擦で葉緑細胞の酸化発酵をうながす”浪青”(ランチン)の二種類のプロセスがあります。

 
 ”浪青”は、製茶職人が両手で優しく茶葉を返しながらやわらかくもむように揺らしてやります。こうすることで、茶葉どうしの摩擦で茶葉の表面の細胞が壊れて、空気が葉肉細胞に入り込んで、発酵作用を促進します。これを小浪(シャオラン)と呼びます。攪拌する作業は両手で茶を掬い上げて、茶葉の熟成具合を測るプロセスでもあります。適切な力加減で攪拌してやることで、茶葉の水分蒸発が均等になるようにします。この作業をこなすには、相当の経験が必要で、さもないと茶葉の品質をコントロールすることができません。

 
台湾茶づくり 室内萎凋(浪菁)の小浪の様子 
 真剣な面持ちで、両手でやさしく”小浪”する製茶職人です。手で持ち上げてかき混ぜるだけでも、発酵の進み方は変わってきます。

 以前、TV番組でウーロン茶づくり体験のようすを見ましたが、テーブルのうえに並べた茶葉を参加者が手でかき回す、そのかき回し方のちょっとした違いが出来上がりのウーロン茶の味に影響をおよぼすといっていました。

 

 
 
 
 
 
 
 

台湾茶、そして、大浪に

 
 茶葉の水分量を均等にするために、最後は円筒状の容器がぐるぐる回転する機械で均一になるよう攪拌し、茶葉と空気をまんべんなく触れさせます。これを大浪(ターラン)と呼びます。

 

 
台湾茶づくり 室内萎凋 円筒型撹拌機 
  ”大浪”をやるための円筒型撹拌機です。竹で編んだ円筒状の容器に、金属のフタにが付いています。

 
 攪拌後、もういちど静置して約2~4時間ゆっくりと発酵させ、よい香りが引き出され、雑味や青臭さがないベストの状態を見極めたら、そこで発酵をストップさせるよう、すぐさま次の炒菁(チャオチン、または殺菁シャーチン)工程にもっていきます。

 
 
  

 
日本で注目される台湾のお茶づくりの工程

 

 日本の九州のほうで、西洋人にも好まれる風味のお茶を開発しようとして、台湾烏龍茶の萎凋の工程に目をつけているそうです。

 
 日本の緑茶はフレッシュな香りが特長ですが、ともすれば西洋人には「青臭い」「魚臭い」などと酷評されることがあり、香りがよいと欧米でも定評のある台湾茶の製茶プロセスを研究してみたら、どうもよい香りの秘密は萎凋の工程にあるらしいと分かり、それを応用した製茶方法で新しいお茶を開発しているのだとか。

 
 萎凋では発酵が進みますので、それはもう緑茶(不発酵茶)ではないですね。清香タイプの烏龍茶に近いものができるのではないでしょうか。台湾の清香烏龍茶のほうが一歩先を進んでいるといえますね。

 
 
 
つづく

 


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