台湾の烏龍茶 お茶づくりの工程(4) ~発酵⇒炒菁~

 
 前回まで、日光萎凋(いちょう)⇒室内萎凋とみてきましたが、これらの工程は、ひとことでいえば、茶葉の水分を適度に蒸散させながら、茶葉自体がその中にもつ酵素で、茶葉を発酵させるプロセスです。
 

 
 
台湾茶 発酵のプロセス、どんなことが起きている?

 
 台灣省茶業改良場の論文(摘要)によれば、そのプロセスでは次のような化学変化が起こっているとのことです。(翻訳は当方でやりましたので、その精確性についてはご海容のほどお願いいたします。)

 
 
「萎凋およびそこでの発酵中に起こる化学変化としては:

(1)タンパク質は分解してアミノ酸を生成し、これは他の化学反応のベースとして機能し、茶の香り、味、水の色の形成にかかわってくる。
(2)糖質はエネルギー源として消費され、他の生化学反応を促進し、色、香り、味にかかわる成分をつくりだす。
(3)有機酸の含有量の増加は、茶湯の色、味わいおよび口当たりに影響する。
(4)ポリフェノール酸化酵素の活性が上がり、茶葉の発酵が促進される。
(5)葉緑素が分解して破壊され、茶葉の出来上がりの色合いに影響を与える。
(6)揮発性成分が生成され、茶葉の香気の主たる元となる。
(7)カテキン類の酸化縮合で生成されるキサンチンやテアルビジンというお茶特有の物質は茶湯の色合いや味わいの形成に関与する。」

 

 
 単にしおれて水分が抜けてるだけに見えますが、実際にはこんなにも複雑な化学変化が茶葉のなかで起きているんですね。

 
 
 

 
烏龍茶は、いい感じに発酵したら、そこでストップ!

 
 
 そして、青茶とも呼ばれる烏龍茶の場合は、一番いい状態になったら、それ以上発酵が進まないように炒青(そうせい、チャオチン)の工程に入ります。殺菁(さっせい、シャーチン)ともいいます。

 
 炒菁とは、萎凋した茶葉を高温で炒ることで葉に含まれる活性酵素を壊し、発酵を止めることです。同時に生の葉がもつ青臭さを取り除く目的もあります。

 
 製茶職人は、萎凋のプロセスにおいて茶葉の香りと滋味がベストの状態になったとみたら、タイミングを逃がさず、すぐに炒菁(チャオチン)の工程に入るのです。

 
 この工程の作用は、高温で酵素の活性を壊し、茶葉が発酵し続けるのを効果的に抑止して、お茶の香りや滋味をベストの状態に固定出来るようにすることです。同時に、茶葉を柔らかくして、次の揉捻工程での成形に備えます。
 

 
 

台湾烏龍茶の発酵を止める機械、炒菁機

 

 
台湾茶 お茶づくり 炒菁機で加熱される茶葉 
 炒菁機(そうせいき)です。
 昔は大きな中華鍋に茶葉を放り込んで、炒っていたそうです。今は大きな円筒形の容器がぐるぐる回転しながら、茶葉を均一に加熱していきます。
 

 写真では分かりませんが、開口部からは煙のような、湯気のような白いものが立ちのぼっていました。炒るというよりは茶葉自体の水分が蒸気になって蒸し上げるかんじで、焦げ目がついたりはしません。

 
 
 
 
 

 
 台湾茶 お茶づくり 炒菁機をかたむけ茶葉を取り出す

 炒菁が完了したら、機械のヘッドを前に傾けて、中の茶葉を取り出します。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
つづく


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