【お茶の種類】 紅茶

 
 お茶の種類を区別する方法で、産地や品種や栽培方法に関わらず、どんなお茶でも区分けできるのが、製法による区別です。

 
 製法によって区別する場合、主にどれだけ発酵させるか、発酵の程度と発酵の種類の違いで色分けされています。緑・黄・青・白・紅・黒の六つに分けるのが一般的です。

 
 茶葉自体が持つ酵素で発酵する度合いですが、緑⇒青⇒紅の順に発酵度が高まります。緑茶、青茶と順にご紹介してきましたので、今回は紅茶をご紹介します。

 
 

  
酵素で完全発酵、それが紅茶  

 

 緑茶が不発酵茶で、青茶が部分発酵茶(半発酵茶)なら、紅茶は完全発酵茶です。茶葉がもつ酵素の働きで、できる限り発酵させて、紅茶ならではの風味が出たところで発酵を止めます。

 
中国茶 かつて紅茶は帆船で欧州へ 
 昔、帆船の時代に、中国やインドのお茶の産地から船でヨーロッパまでお茶は運ばれた、まだスエズ運河も開通しておらず、インド洋から喜望峰を回って、大西洋を越えてはるばるヨーロッパの港に着いた、その間船倉でずっと揺られて熱帯の海を渡ってきた茶葉が高温多湿の環境の下、自然発酵して色が変わり紅茶になった、それが紅茶の始まりだ、というエピソードがまことしやかに伝えられています。

 
 
 
 
 
  これはたいへん面白い話ですが、事実ではありません。そもそも、イギリスのコーヒーハウスでお茶が嗜まれるようになった17世紀、そこで飲まれていたお茶は、緑茶と烏龍茶が半々ぐらいだったといいますので、帆船航海の時代でも不発酵茶や部分発酵茶がちゃんとイギリスまで届いていたのです。

 
 生の茶葉をそのまま置いておくと、当たり前の話ですが、単なる枯れ葉になってしまい、飲めるお茶にはなりません。だから、お茶という貿易商品として出す場合は、必ず加熱して茶葉自体がもつ酵素による発酵を止めるプロセス(=殺菁・さっせい)を経ています。酵素の働きが止められている以上、紅茶になるまで酵素発酵が継続することはありません。もし、船倉で茶葉の発酵が進んだとしたら、それは微生物による後発酵で、できるのは紅茶ではなく、黒茶(プーアル茶などの後発酵茶)になってしまいます。

 
 

 
 
紅茶の作り方

 
 紅茶の製法ですが、次のような流れになります。

 
 摘んできた茶葉は、室内で萎凋(いちょう)します。これは発酵をうながし、よい風味を引き出すブロセスです。次は、茶葉をもむ揉捻(じゅうねん)です。もみほぐす刺激が更に発酵をうながします。

 
 中国の伝統的な功夫紅茶の製法では、その後、十分発酵した段階で、加熱乾燥して、酵素の活性を奪い、荒茶(中間製品のお茶)とします。細かく刻んだ紅茶をつくるには、揉捻した茶葉をCTC(crush, tear and curl)という工程にかけます。茶葉を砕き(crush)、割いて(tear)、カールさせて(curl)、おなじみの紅茶の茶葉のかたちにしつらえ、十分発酵したら、加熱乾燥して荒茶にします。

 
 

 

 
台湾 紅茶づくりのあゆみ

 
 台湾での紅茶づくりは、日本統治時代に始まりました。台湾総督府(当時)で、台湾でアッサム種を栽培する計画が持ち上がり、台湾各地を調査した結果、当時の台中州(現在の南投県)の魚池庄と埔里街の気候と土壌が、栽培に適しているとの結論になりました。そこで、インドからアッサムの種子を輸入し、魚池庄で苗木を育て、その近郊に茶園を広げたのです。今でも、魚池の紅茶はそこに程近い日月潭という有名な観光地(山の中にある湖で箱根に似た雰囲気)の定番のおみやげのひとつとなっています。

 
 現在では、アッサム種だけではなく、台湾独自で品種改良してできた台茶18号(紅玉)という茶種も紅茶に使われています。これは、ビルマの大葉種と台湾の野生品種を掛け合わせてできた品種で、天然シナモン香とほのかなハッカ香があるのが特長です。

 
 また、製法に創意工夫をこらして新商品を開発する台湾の茶行は、通常青茶用にする青心烏龍種や台茶12号(金萱茶)を完全発酵させて、独自の紅茶に仕立てています。

 
 杉林渓の玄関口、渓頭に店舗を構える茶師、張さんのところでは、青心烏龍や金萱を紅茶の製法で完全発酵茶にして、「烏龍紅茶」と名付けて販売しています。香りよく、味はすっきりして、紅茶特有のえぐさがなく、スイーツを食べるときに合わせても、スイーツの味を邪魔しません。
 

台湾茶 烏龍紅茶の茶葉

台湾茶 張さんの烏龍紅茶 パッケージと茶湯

 

 
 

紅茶の効用と気をつけること

 
 紅茶には次のような効用があると言われています。
・紅茶のカテキンは疲労回復によい
・完全発酵していて温性なので、体を冷やさない
・発酵によって分解された茶ポリフェノール類が、胃腸をいたわり、消化を促進する
・ビタミンとポリフェノールの働きで抵抗力が高まる
・アミノ酸の一種であるテアニンと精油成分の働きで、リラックス効果がある

 
 紅茶で気をつけることは
・カフェインが多く、眠れなくなるので、夜、就寝前には飲まない方が良い
・温性なので、熱があるときは、ますます熱を上げてしまう
・タンニンが鉄分と結合して、鉄分の吸収を妨げるので、貧血の人は食後に飲まないほうがよい
といわれています。

 
 
 
-【お茶の種類】黒茶 -

 
 


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