【お茶の種類】 黒茶 (プーアル茶など)

 
 お茶の種類を区別する方法で、産地や品種や栽培方法に関わらず、どんなお茶でも区分けできるのが、製法による区別です。

 
 製法によって区別する場合、主にどれだけ発酵させるか、発酵の程度と発酵の種類の違いで色分けされています。緑・黄・青・白・紅・黒の六つに分けるのが一般的です。

 
 茶葉自体が持つ酵素で発酵する度合いで、緑⇒青⇒紅の順に発酵度が高まるということを、前回まで三回に分けてご紹介して参りました。

 
 今回は、茶葉の酵素で発酵するのではない後発酵茶・黒茶をご紹介します。代表的な黒茶には、中国大陸雲南省の普爾(プーアル)茶があります。日本にも、富山黒茶(富山),碁石茶(高知),石槌黒茶(愛媛),阿波番茶(徳島)などの後発酵茶があります。緑茶に近い工程で、加熱して酵素の働きを止めた(殺菁した)後、乳酸菌やコウジカビなど微生物の力を使って、発酵させたお茶です。お茶の酵素の働きを止めた”後”に発酵させるので、後発酵茶と呼ばれています。

 
 前回ご紹介した紅茶のエピソードと似ていますが、プーアル茶にも同じような逸話があります。

 
 その昔、雲南の特産品としてお茶がたいへん珍重され、馬の背に揺られて中国各地に運ばれていました。緑茶のような不発酵茶を運びやすいよう乾燥して円盤状に固めたものをつくり、それを何枚も積み重ねたものを結わえて、馬の背に振り分け荷物にして、運んでいました。それが何日もかけて旅路を行くあいだに雨に降られたり、湿気にあたったりして、自然と後発酵が進み、目的地に着く頃には独特の風味のお茶になっていたのが、プーアル茶の始まりだと言われています。

 
 これも真偽のほどはわかりませんが、プーアル茶の売り込みで来日していた雲南省のプーアル茶メーカー関係者がそう語っていましたので、中国では定説になっているようです。

 

中国茶 プーアル茶 生茶 
 
 黒茶のプーアル茶の製法ですが、次のような流れになります。まず、摘み取ってきた茶葉(特定の保護地域で採れた雲南大葉種に限る)を炒菁(そうせい、炒って加熱し、酵素の働きを止める)します。次に、もみほぐし(揉捻)、乾燥します。ここまでの工程は緑茶の製法に似ていて、茶葉はほぼ緑茶に近い状態になります。その茶葉を2mぐらいの深さのプールのように大きな容器の中に積み重ねて圧縮します。そこに、カビ付けして、ときどき水を撒いて、発酵を進行させます。これを渥堆(あくたい)と呼びます。

 
 発酵は腐敗と紙一重というか、カビなどの微生物の分解作用が人間にとって有用な場合を発酵といって、人間にとって有害な場合は腐敗というのですが、経験則と歴史の積み重ねによって、人間にとって有用な発酵となるよう、うまくコントロールされています。また、茶葉に含まれるカテキンやタンニンが微生物を選別する効果をもつとも考えられています。

 
 程よく発酵したお茶を乾燥させれば、プーアル茶の完成です。茶葉そのままの場合は散茶といい、また、伝統に従って、茶葉を円盤状に固めたり(餅茶、ピンチャー)、まるめたり(沱茶、トゥオチャー)したものもあります。

 
 上記のような工程で作られるプーアル茶は熟茶とよび、一方、カビ付けしないで、お茶に付着した自然の菌で発酵させたものは生茶とよびます。日本酒の生酛(きもと)づくりのようなものでしょうか。生茶は、ずっと熟成が進むので、古ければ古いほど良いとされます。プーアル茶の生茶を買ったら、賞味期限がなんと20年!になっていました。20年後に味わったら、果たしてどんな味なのでしょうか。

 
中国茶 雲南プーアル茶 生茶 茶葉

 
 これが賞味期限20年のお茶です。まだ緑茶の面影が残っています。20年経ったらどんな色合いに変わるのでしょうか。

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 黒茶には次のような効用があると言われています。

 
・発酵によって分解された茶ポリフェノール類が、胃腸をいたわり、消化を促進する
・カフェインとポリフェノールの化合物の働きで、脂肪を分解しやすくする
・特に熟茶はカフェインが別の化合物になるため、カフェイン自体の含有量が減り、胃にやさしい

 
 黒茶で気をつけることは
・脂肪を分解しやすくする効果があるので、空腹時に飲むと胃腸に負担がかかる
・プーアルの生茶は涼性のお茶なので、冬場や冷え性の人は避けた方がよい、熟茶は温性なので問題ない
といわれています。

 
 
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