【お茶の種類】黄茶

 
 お茶の種類を区別する方法で、産地や品種や栽培方法に関わらず、どんなお茶でも区分けできるのが、製法による区別です。

 
 製法によって区別する場合、主にどれだけ発酵させるか、発酵の程度と発酵の種類の違いで色分けされています。緑・黄・青・白・紅・黒の六つに分けるのが一般的です。

 
 前回までで、緑茶・青茶・紅茶・黒茶・白茶の五つをご紹介してきました。今回は最後のひとつ、黄茶をご紹介します。

 
 前回の白茶が弱発酵茶なら、黄茶は弱後発酵茶(※1)といわれています。後発酵茶は、プーアル茶のように、茶葉がもつ酵素ではなく微生物の働きで(※2)発酵させるお茶です。黄茶は弱く後発酵させるお茶ということになります。

 
 緑茶と同様にまず炒菁(そうせい、炒って酵素発酵を止める)から入って、揉捻を行います。ただし、黄茶の炒菁では低い温度から徐々に温度を上げていき、また、徐々に温度を下げていくので、その間に酵素発酵が少し進むともいわれています。揉捻の次が黄茶ならではの悶黄(もんこう、メンホアン)という工程です。茶葉を高温多湿の環境に湿らせた布でくるんで積み重ねて発酵させますが、黃宣紙(こうせんし)という紙を湿らせ、それで茶葉を包んで発酵させるのが正統な悶黄の手法といわれています。その後、乾燥させて荒茶にします。

 
 中国語では黄(ホアン)は皇(ホアン)と音が同じなので、古来黄色は皇帝の色とされ、淹れた茶湯も開いた茶葉も黄色を呈する黄茶は、皇帝に献上されていたとっても貴重なお茶です。緑茶に似た味わいですが、甘い、またナッツのような香りがあり、口にふくむと最初は淡白でも、余韻が長く残る味わいです。

 
 代表的な黄茶としては、中国大陸湖南省の岳陽市は洞庭湖の君山という島でつくられる君山銀針(チュンシャンインチェン)が有名です。茶葉の芽だけを使用して細長いかたちのお茶なので、銀針と呼ばれています。湯の中で茶葉が立つので、それをながめるために、玻璃(ガラス)の茶碗で飲まれていました。

 

中国茶 君山銀針 茶葉

 
 台湾では、金萱種の茶葉をつかって、黄大葉という黄茶が新北市の三峡というところで、ごく少量つくられていますが、市場には出回っていません。

 
 黄茶には次のような効用があると言われています。
・悶黄で生成される酵素が胃の働きを助け、脂肪の分解を促進する、
・便秘によい
・消化不良、食欲不振によい

 

 黄茶で気をつけることは
・涼性のお茶なので、冬場や冷え性の人、生理中の人は避けた方がよい
といわれています。

 
(※1)黄茶に関しては、台湾、中国、日本でそれぞれ分類の考え方が異なります。台湾では緑茶の製法に近いということで「不発酵茶」に分類し、中国では悶黄の際に少し発酵するからと「微発酵茶」とし、日本では殺菁した後に微生物の働きで軽く発酵させるから「弱後発酵茶」であるとしています。

 
(※2)悶黄のプロセスにおいて、「微生物によらずに、非酵素的に酸化される」とする説もあります。

 
 
-【お茶の種類】再加工茶 -

 


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